ご挨拶

第55回日本臨床神経生理学会学術大会
第62回日本臨床神経生理学会 技術講習会
会長 長谷 公隆
関西医科大学 リハビリテーション医学講座 主任教授
副会長 谷口 愼一郎
関西医科大学 整形外科学講座 准教授
副会長 吉村 匡史
関西医科大学 リハビリテーション学部 作業療法学科 教授
オンサイト学術顧問 松浦 雅人
医療法人社団 輔仁会 田崎病院
第55回日本臨床神経生理学会学術大会 / 第62回日本臨床神経生理学会技術講習会を、2025年11月13日(木)~11月15日(土)に沖縄コンベンションセンター(宜野湾市)にて開催いたします。今回は、第1回日本脳波・筋電図学会学術大会以来の半世紀余りに渡る学術大会の歴史の中で行われたことがない沖縄を、開催地として選ばせていただきました。沖縄コンベンションセンターへのアクセス(那覇市中心からバスで50分)ではご不便をお掛けしますが、皆様を宜野湾の美しいビーチに面した会場にお迎えする準備を進めておりますので、多くの方々に足を運んでいただければ幸いです。
本大会のテーマは、「実学としての臨床神経生理学(Pragmatism-oriented Clinical Neurophysiology)」と致しました。‘Pragmatism’は、経験や価値観に対する批判を通して合理に至ろうとする科学的態度として形成されます。研究対象を実体として捉えて、その対象にさまざまな角度から光を当てることで、社会に「実り」をもたらす実証科学であり、最大限の多様性を重視した本学会が取り組んできた学問そのものであると存じます。臨床神経生理学の実臨床は、運動・感覚や認知機能等の身体所見に関わる神経活動の同定と、それに付随する解剖・生理・生体工学等の医療データを計測・処理し、解釈することで行われます。これらの達成には、標準化された手順・方法に則ってデータを得ることが大前提となります。一方で、比較可能性を高める層別化やサブグループ化等のデータ駆動型アプローチによって、個別化医療を深化させていくことが近年のトレンドです。臨床神経生理学に関係する多職種が一堂に介する本学術大会が、その多彩なる知識と技術を共有し、各分野の連携・融合を推進・加速する学際的研究の場となることを願っております。
加えて、臨床神経生理学の実践には、医療機器および技術の開発・発展が欠かせないことは言うまでもございません。本学術大会では、ハンズオンセミナーや企業展示に加えて、臨床神経生理学のイノベーションを担う医療機器メーカー等からのプレゼンテーションを企画しておりますので、何卒お立ち寄りいただければと存じます。
最後になりましたが、本学術大会の沖縄開催にあたりまして、オンサイト学術顧問を快くお引き受けいただきました松浦雅人先生に、改めまして心から感謝申し上げます。皆様におかれましてはお力添えとご参加を何卒宜しくお願い申し上げます。