第43回日本高血圧学会総会(The 43rd Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Hypertension)

ごあいさつ

  • 第43回日本高血圧学会総会
  • 会長 大屋 祐輔
  • (琉球大学大学院医学研究科 循環器・腎臓・神経内科学 教授)
会長:大屋 祐輔 写真

第43回日本高血圧学会総会を、沖縄に於いて開催させていただくことになりました。このような栄誉ある機会をいただきましたことを、日本高血圧学会会員の皆様に心より感謝申し上げます。

当初は、2020年10月に開催するべく鋭意準備を進めておりました。しかし、国内外の新型コロナウィルス(COVID-19)感染が拡大したことより、理事長と相談の上、1年間延期することにさせていただきました。新しい会期は2021年10月15日(金)~17日(日)の3日間で、場所は当初予定と同じ沖縄コンベンションセンターです。

今回のテーマは「”ゆいまーる”で広げよう、高血圧対策と脳心血管病予防」です。”ゆいまーる”とは、「結」を「廻す」という沖縄方言です。その意味するところは、相互扶助、共同作業、労働の交換、共に学ぶ、です。我が国の寿命は延び続けており、長寿社会を見据えたあらゆる方面の人のつながりを介した社会システムを創り上げるためのグランドデザインが喫緊の課題となっています。たとえば、保健医療分野においては、若年世代からの疾病予防、さらに高齢者のフレイル対策や介護予防、さらに健康寿命の延伸などへの対応も必要です。高血圧は脳心血管病の最も重要なリスク因子であることが証明されており、その適切な対策は脳心血管病およびその合併症を予防して健康長寿を延伸させことができ、長寿社会を見据えた社会システムの維持にとってとくに重要です。また、アジア各国においても日本と同様な健康課題が生じてきていることから、我が国の高血圧対策をアジアと広く共有し、アジアにおける健康長寿社会構築へ寄与することも求められます。

一方、今回のCOVID-19の流行により、人と人のつながりは、Physicalには避けることが必要になっています。一方、Physicalではない人と人とのつながりは、ますます必要になっていると思います。今回の総会では、多職種連携、関連学会との連携、アジアとの交流、健康産業との連携ICTなどの新しい科学技術との連携を意識しながら、With CORONA時代における健康問題への対応について取り上げて行きたいと思います。また、With CORONA時代における新しい総会・学術集会の在り方についても考えながら準備を進めたいと思います。

学会の開催時期の10月はまだ沖縄の夏の終りにあたり、温暖で快適な季節です。COVID-19の感染状況にもよりますが、会場の裏のトロピカルビーチを含めて多くの観光スポット、そして泡盛、琉球料理、琉球文化も学会と併せて楽しんでいただけます。

日本高血圧学会会員の皆様、高血圧をはじめとする生活習慣病および、それらに帰因する脳卒中や循環器疾患の疾患に高血圧を通じての生活習慣病の予防・対策に携わっている一般臨床家、医療スタッフの皆様方の本学会総会への多数のご参加をお待ちしています。

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