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プレジデンシャルシンポジウム
量子生命科学による精神神経疾患のメカニズム解明に向けた挑戦
11/6(月)15:30-17:30 第1会場
- オーガナイザー:
-
- 須原 哲也(国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構)
- 座長:
- 岩田 仲生(藤田医科大学 医学部 精神神経科学 教授)
- 須原 哲也(国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構)
- 演者:
- 須原 哲也(国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構)
- 五十嵐 龍治(国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 量子生命・医学部門 量子生命科学研究所)
- 高草木 洋一(国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 量子生命科学研究所)
- 八幡 憲明(国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 量子生命・医学部門 量子生命科学研究所)
- 村上 正晃(北海道大学遺伝子病制御研究所、量子科学技術研究開発機構量子生命科学研究所、自然科学研究機構生理学研究所)
- 田桑 弘之(国立研究開発法人 量子科学技術研究開発機構 量子生命・医学部門 量子生命科学研究所 量子神経マッピング制御チーム)
- 高堂 裕平(国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 量子生命・医学部門 量子生命科学研究所)
- 山田 真希子(国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 量子生命・医学部門 量子生命科学研究所)
趣旨
近年、量子現象に基づく新しいセンシング技術や、量子コンピュータに関連する計算技術、あるいは量子力学の礎となる数学的枠組みを生命科学研究に応用する「量子生命科学」という新しい分野において研究開発が急速に進展している。本シンポジウムでは、当該分野の計測技術・理論的枠組が精神神経疾患の病態解明にいかなる役割を果たしうるか、最新の技術開発・研究事例に触れながら今後の展望を検討する。量子センシング技術としては、ダイヤモンド窒素-空孔中心(NVセンター)による細胞内環境計測、ならびに超偏極技術による超高感度代謝イメージングを取り上げる。量子計算技術としては、量子インスパイアド計算技術やアニーリングマシンを用いた新しい神経活動データ解析手法について検討する。最後に、量子論の数学的枠組みを援用して様々な認知・心理現象の理解の深化を目指す量子認知分野の研究を紹介する。
シンポジウム1
スクリーンタイムと神経発達症
11/6(月)9:30-11:30 第2会場
- オーガナイザー:
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- 高橋 長秀(名古屋大学医学部附属病院 親と子どもの心療科)
- 座長:
- 土屋 賢治(浜松医科大学 子どものこころの発達研究センター)
- 高橋 長秀(名古屋大学医学部附属病院 親と子どもの心療科)
- 演者:
- 久島 萌(山梨大学大学院総合研究部附属 出生コホート研究センター)
- 土屋 賢治(浜松医科大学 子どものこころの発達研究センター)
- 高橋 長秀(名古屋大学医学部附属病院 親と子どもの心療科)
- 高江洲 義和(琉球大学医学部精神病態医学講座)
趣旨
スクリーンタイムと神経発達症の関連は非常に注目を集めている領域である。一方で、スクリーンタイムは神経発達症のリスクなのか、早期兆候なのか、経過に影響を与えるのか、については知見が一致しないこともあり、臨床現場においてどう保護者にアドバイスすべきか、非常に悩ましいのが現状である。
本シンポジウムにおいては、大規模出生コホートの解析結果、精緻な表現型に定評のあるコホートを用いた解析結果、遺伝的リスクを考慮した因果関係の推定、スクリーンタイムと睡眠覚醒リズムに重要なメラトニンの関連の検討、など、様々な切り口から本テーマにアプローチしている研究者に登壇頂く。そして、スクリーンタイムと神経発達症の関連について、これまでにわかっていること・明らかになっていないことを確認し、今後目指すべき研究の方向性について議論を深めたいと考えている。
シンポジウム2
せん妄を科学する
11/6(月)13:30-15:30 第2会場
- オーガナイザー:
-
- 金沢 徹文(大阪医科薬科大学 精神神経科)
- 座長:
- 金沢 徹文(大阪医科薬科大学 精神神経科)
- 岩田 正明(鳥取大学医学部 脳神経医科学講座 精神行動医学分野)
- 演者:
- 西澤 由貴(スタンフォード大学 精神科)
- 山梨 豪彦(鳥取大学医学部附属病院 精神科)
- 八田 耕太郎(順天堂大学医学部附属練馬病院メンタルクリニック)
- 篠崎 元(スタンフォード大学 精神科)
趣旨
日本のみならず世界各国が高齢社会に進む中でせん妄の重要性はますます際立っている。
せん妄は有病率が非常に高いものの見落とされやすいと疾患とされ、アメリカではせん妄による医療費は年間1500憶ドルに及び、長期にわたる認知機能障害や死亡に至るなど転帰の悪化にも影響するとされている。
だが、せん妄の病態はいまだ解明されておらず、まだ迅速診断や有効な治療の開発は確立しているとは言い難い。近年、せん妄の病態の機序として神経炎症が役割を担っていることに注目が集まり、様々な報告がなされているものの確固とした結論は出されていない。本シンポジウムにおいて現場での最新の治療における変化に関する報告や、せん妄の転帰予測や検出を目指して開発されたデバイスの報告、エピジェネティカルな観点から病態解明を目指した報告、さらにせん妄モデルマウスを用いた基礎研究の報告を行う。その上で多角的な観点から病態解明を目指す議論をする。
シンポジウム3
単一モダリティの大規模データを起点とした階層性データベース構築の意義
11/7(火)9:30-11:30 第1会場
- オーガナイザー:
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- 小池 進介(東京大学 大学院総合文化研究科 進化認知科学研究センター)
- 座長:
- 池田 匡志(名古屋大学大学院医学系研究科精神医学)
- 小原 知之(九州大学大学院医学研究院精神病態医学)
- 演者:
- 小池 進介(東京大学 大学院総合文化研究科 進化認知科学研究センター)
- 大井 一高(岐阜大学大学院医学系研究科精神医学)
- 岩本 和也(熊本大学大学院生命科学研究部分子脳科学講座)
- 牧之段 学(奈良県立医科大学精神医学講座)
- 平野 羊嗣(宮崎大学医学部臨床神経科学講座精神医学分野)
趣旨
精神疾患ヒト生物学的指標を用いた研究が進展し、現在では大規模化、多施設化が一般的となった。特に脳磁気共鳴画像およびゲノム研究では、国際コンソーシアムによる大規模解析が進行中で、疾患横断検討、疾患再分類等が進められている。一方、単一モダリティにおける検討だけでは臨床応用、病態解明ともに限界があることもわかった。そのためマルチモダリティ解析が求められるが、各研究機関の限界があり、大規模化は望めない。また、各モダリティが細分専門化し、他のモダリティについて取り扱える余地がなくなったため、階層性データを一研究者、研究グループが適切に取り扱うことも困難である。本シンポジウムでは現在AMED研究PJで中心に進められている多施設、大規模、疾患横断の階層性データベース構築について紹介し、各モダリティの現状と課題、今後の国内標準化について議論したい。
シンポジウム4
ひきこもりを生物学的に理解する:臨床・基礎・理論の融合
11/7(火)9:30-11:30 第2会場
- オーガナイザー:
-
- 加藤 隆弘(九州大学大学院 医学研究院 精神病態医学)
- 座長:
- 加藤 隆弘(九州大学大学院 医学研究院 精神病態医学)
- 疋田 貴俊(大阪大学 蛋白質研究所)
- 演者:
- 加藤 隆弘(九州大学大学院 医学研究院 精神病態医学)
- 瀬戸山 大樹(大阪大学 蛋白質研究所)
- 疋田 貴俊(大阪大学 蛋白質研究所)
- 本田 直樹(広島大学大学院 統合生命科学研究科)
趣旨
社会的ひきこもりは、6ヶ月以上自宅にとどまり続ける状況を指し、ひきこもり者は国内140万を越え、国家的重点課題である。2022年DSM-5TRに掲載され、国際的にも注目されている。従来、心理社会的側面ばかりが注目されてきたが、本シンポジウムでは、ひきこもり病態に生物学的基盤を見出すための先駆的研究を行っている演者達がこれまでの成果を紹介する。加藤は大学病院に立ち上げているひきこもり研究外来システムとその成果を紹介する。基礎生物学者の瀬戸山は、ひきこもり者の血液メタボローム解析の知見を紹介する。精神疾患モデル動物研究を推進している疋田は、ひきこもり関連マウスの知見を紹介する。理論生 物学者である本田は、生物・心理・社会といった多階層データ解析によるひきこもりの層別化に関する知見 を紹介する。臨床・基礎・理論の融合によりひきこもりの病態理解が進み、ひきこもりの抜本的な打開策が創出されることを期待する。
シンポジウム5
気分障害のMRI研究からわかる、寛解と回復に関連した神経回路基盤
11/7(火)9:30-11:30 第3会場
- オーガナイザー:
-
- 平野 仁一(慶應義塾大学医学部精神神経科)
- 座長:
- 三村 將(慶應義塾大学医学部 )
- 中込 和幸(国立精神・神経医療研究センター)
- 演者:
- 平野 仁一(慶應義塾大学医学部精神神経科)
- 片山 奈理子(慶應義塾大学 医学部 精神・神経科学教室)
- 久良木 悠介(京都大学大学院 医学系研究科 脳病態生理学講座(精神医学))
- 野田 隆政(国立精神・神経医療研究センター病院精神診療部)
趣旨
気分障害は、2030年に全世界の疾病負荷の第1位になると予測されているが、現在まで治療選択に寄与する生物学的所見は見出されておらず、気分障害の寛解と回復に関連した神経回路基盤は未明のままである。すなわち、気分障害の治療機序の解明、治療選択に資する知見の創出は精神科医療において喫緊の課題である。
本シンポジウムでは、500症例(うつ病350症例、健常150症例)に対し、4種類の異なる治療介入(薬物療法、CBT、ECT、rTMS)前後での脳MRIデータ収集を行った気分障害において過去最大規模の縦断脳画像研究である「気分障害における寛解と回復に関連した神経回路基盤の解明」に参加する研究者が脳画像(MRI)を中心としてうつ病の各種治療法の作用機序に関する最新の知見を共有し、気分障害のMRI研究からわかる、寛解と回復に関連した神経回路基盤に迫るとともに、本研究の成果の発展性について議論する。
シンポジウム6
いわゆる老年期精神病の生物学的背景を考察する
11/7(火)9:30-11:30 第4会場
- オーガナイザー:
-
- 入谷 修司(桶狭間病院藤田こころケアセンター附属脳研究所)
- 座長:
- 入谷 修司(桶狭間病院藤田こころケアセンター附属脳研究所)
- 池田 研二(東京都医学総合研究所)
- 演者:
- 笠貫 浩史(聖マリアンナ医科大学 神経精神科学教室)
- 関口 裕孝(桶狭間病院藤田こころケアセンター)
- 藤城 弘樹(名古屋大学大学院医学系研究科精神医学)
- 河上 緒(公益財団法人 東京都医学総合研究所 分子病理・ヒストロジー解析室)
- 橋本 衛(近畿大学 医学部 精神神経科学教室)
- 荒深 周生(名古屋大学大学院医学系研究科精神医学)
趣旨
現在汎用されている操作的診断では、統合失調症の診断に年齢的制約はない。よって臨床的な項目を満たせば統合失調症と診断可能である。しかし、老年期の幻覚妄想状態は、統合失調症の病態とは、疾患単位の不均一性や脳器質因の影響のバリエーションの複雑さなどから生物学的基盤がちがうことが従前から想起されてきた。本シンポジウムでは、1)いわゆる老年期精神病の概念と病態解明のアプローチを顧み、2)脳変性疾患との関係性を論じ、そのなかで特に3)レビー小体病変との関連、4)脳タウ病変との関連について論じていただく。さらに5)老年期の妄想の病態として神経心理的立場からその生物学的基盤の背景を論じていただく。そして、6)統合失調症の長期経過のなかでみられる認知機能の低下(認知症)の背景について論じて頂く。これらのテーマを通じていわゆる老年期精神病といわれる病態の理解を深めたい。
シンポジウム7
Beyond Hypothesis in Psychiatry:仮説からの脱却のために我々ができること
11/7(火)13:40-15:40 第1会場
- オーガナイザー:
-
- 平野 羊嗣(宮崎大学医学部臨床神経科学講座精神医学分野)
- 座長:
- 加藤 忠史(順天堂大学医学部精神医学講座)
- 平野 羊嗣(宮崎大学医学部臨床神経科学講座精神医学分野)
- 演者:
- 石田 康(宮崎大学 医学部 精神医学教室)
- 柳下 祥(東京大学医学系研究科)
- 朴 秀賢(熊本大学大学院生命科学研究部神経精神医学講座)
- 塩飽 裕紀(東京医科歯科大学精神行動医科学分野)
趣旨
精神薬理学の進歩によってもたらされたモノアミン仮説をはじめとする精神疾患の種々の仮説は、その後の向精神薬開発に一定の貢献をしたものの、その限界が指摘されている。科学の長足の発展にも関わらず、精神疾患の病因は依然として不明で、未だに「OO仮説」の域を出ていない。仮説はあくまで検証のための道具に過ぎず、革新的な研究によってあらたなブレークスルーが生まれ「仮説が仮説でなくなること」、つまり「仮説からの脱却」が重要である。本シンポジウムでは、精神疾患の生物学的基礎研究の第一線で活躍されている研究者に、各々の仮説検証でわかったこと、またその限界と課題、さらには仮説を超えるための方 略について発表して頂き、議論を深めたいと思う。
シンポジウム8
精神疾患のゲノム研究の現在と展望
11/7(火)13:40-15:40 第2会場
- オーガナイザー:
-
- 齋藤 竹生(藤田医科大学精神神経科学)
- 座長:
- 齋藤 竹生(藤田医科大学精神神経科学)
- 池田 匡志(名古屋大学 医学部 精神医学)
- 演者:
- 齋藤 竹生(藤田医科大学精神神経科学)
- 池田 匡志(名古屋大学 医学部 精神医学)
- 木村 大樹(名古屋大学大学院医学系研究科精神医学分野)
- 池亀 天平(東京大学大学院医学系研究科精神医学分野)
趣旨
近年のゲノム解析技術の進歩により網羅的なゲノム解析が可能となり、精神疾患を始めとする複雑疾患において、疾患感受性遺伝子が多数同定され新たな知見が蓄積されてきている。しかし、精神疾患ではまだまだ確度の高い結果は得られているとは言えず、精神疾患の病態生理解明に向けて、今後のブレークスルーが期待される。本シンポジウムでは、ゲノム・エピゲノムの観点から精神疾患の病態に迫る研究をまとめるとともに、今後の方向性を議論する。また、病態解明のみならずゲノム研究の結果は臨床に還元されうるのかについて、臨床実践の出口に近いと考えられる、精神科領域の薬理遺伝学・ゲノム学(PGt/PGx)も視野に入れながら検討し議論したい。
シンポジウム9
セロトニントランスポーター再訪
11/7(火)13:40-15:40 第3会場
- オーガナイザー:
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- 岩本 和也(熊本大学大学院生命科学研究部分子脳科学講座)
- 座長:
- 岩本 和也(熊本大学大学院生命科学研究部分子脳科学講座)
- 宮川 剛(藤田医科大学総合医科学研究所システム医科学)
- 演者:
- 昌子 浩孝(藤田医科大学 医科学研究センター システム医科学研究部門)
- 小林 克典(日本医科大学大学院 医学研究科 薬理学分野)
- 岩本 和也(熊本大学大学院生命科学研究部分子脳科学講座)
- 酒井 規雄(広島大学 医系科学研究科 神経薬理学)
- 山末 英典(浜松医科大学 精神医学講座)
趣旨
セロトニントランスポーター(5-HTT)はシナプス間隙のセロトニン再取り込みに関わり、セロトニン神経系の調節を担う分子である。薬理学的には、抗うつ薬の主要な標的として局在化機構や再取り込み阻害作用 の研究が、遺伝学的には、遺伝環境相互作用の観点から5-HTTLPR多型の関連研究が行われており、その機能と役割の重要性については一定のコンセンサスが得られていると言える。しかし、5-HTTの機能、薬理作用、精神疾患との関係など、本質的な部分ではいずれも未解明の点や不一致な点が多く、次々と新しい知見 が生み出されている分子でもある。本シンポジウムでは、薬理学、動物モデル、遺伝学、エピジェネティクス、脳画像研究から、分野横断的に5-HTTの最新の知見を紹介する。5-HTTについて包括的な理解を深め、既存のコンセンサスのupdateに貢献できれば幸いである。
シンポジウム10
うつ病, その病態の複雑系:overlap/difference/interaction
11/7(火)13:40-15:40 第4会場
- オーガナイザー:
-
- 吉村 玲児(産業医科大学医学部精神医学)
- 座長:
- 吉村 玲児(産業医科大学医学部精神医学)
- 功刀 浩(帝京大学医学部精神神経科学講座)
- 演者:
- 吉村 玲児(産業医科大学医学部精神医学)
- 功刀 浩(帝京大学医学部精神神経科学講座)
- 加藤 隆弘(九州大学大学院医学研究院 精神病態医学)
- 小林 伸行(東京慈恵会医科大学ウイルス学講座)
趣旨
うつ病は精神疾患の中で最もDALY/YLSの損失の大きい疾患であり、全疾患でも第2位になっています。うつ病は異種性の高い疾患であり、そのフェノタイプも多種・多様です。その原因の一つにはうつ病の病態が複雑かつ多様であり、それらのoverlap/difference/interactionに起因してることにありましょう。本シンポジウムでは新しいうつ病の病態(仮説)がそれぞれどのように結びついているのかの考察を深めることを目的としています。具体的にはマイクロバイオーム、脳内炎症、ウイルス感染、免疫異常という観点から、うつ病の病態を論じたいと思います。そしてそれぞれの病態のoverlap/difference/interactionによりどのようなうつ病フェノタイプが形成されるのかについても言及する予定です。さらには既存薬物治療への反応性や新しい標的分子に作用する創薬の可能性などについても議論したいと思います。
シンポジウム11
COVID-19関連認知機能障害を含む新しいタイプの認知機能障害 ー新しいタイプの認知機能障害とその病態生理仮説ー
11/7(火)15:40-17:40 第1会場
- オーガナイザー:
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- 小川 朝生(国立がん研究センター先端医療開発センター精神腫瘍学開発分野)
- 座長:
- 谷向 仁(京都大学大学院医学研究科)
- 小川 朝生(国立がん研究センター先端医療開発センター精神腫瘍学開発分野)
- 演者:
- 井上 真一郎(新見公立大学 健康科学部 看護学科)
- 高橋 晶(筑波大学 医学医療系 災害・地域精神医学)
- 小川 朝生(国立がん研究センター先端医療開発センター精神腫瘍学開発分野)
- 谷向 仁(京都大学大学院医学研究科 医学研究科 人間健康科学系専攻先端作業療法学講座)
趣旨
認知機能障害は脳細胞の死滅などの理由で知覚・記憶・注意・実行機能などの障害を起こし社会生活に支障を来す。せん妄は長期的な認知機能障害につながる可能性があり術後認知機能障害との関連が指摘されている。COVID-19はせん妄の割合が高く全身性炎症と神経炎症の合併による脳症との関連が示唆されており、中期的な認知機能障害やうつ病などから、長期的なアルツハイマー病との関連が議論されている。がん関連認知機能障害はケモブレインをはじめ非中枢神経系のがん患者において化学療法の他、放射線療法や手術の治療後に神経心理学的機能が低下することを示す。慢性腎不全や慢性閉塞性肺疾患(COPD)、糖尿病など慢性疾患は重複することで認知機能障害のリスクを高めCOPDによる低酸素症や脳の構造変化が示唆されている。本シンポジウムでは近年注目されている新たな認知機能障害を呈示し、病態生理や薬物療法、リハビリなどの非薬物療法を含めて議論したい。
シンポジウム12
ニューロモデュレーションの最前線
11/7(火)15:40-17:40 第2会場
- オーガナイザー:
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- 住吉 太幹(国立精神神経センター)
- 座長:
- 西田 圭一郎(大阪医科薬科大学)
- 高橋 隼(大阪大学)
- 演者:
- 今津 伸一(大阪医科薬科大学 神経精神医学教室)
- 山田 悠至(国立精神・神経医療研究センター病院)
- 朴 秀賢(熊本大学 大学院生命科学研究部 神経精神医学講座)
- 千葉 俊周(国際電気通信基礎技術研究所 行動変容研究室)
趣旨
精神疾患の治療方策は進歩を続けており、薬物療法のみならずデバイスを用いた電気や磁気による治療が試みられている。いうまでもなく、神経活動は電気信号によりその伝達がなされていることから、その非侵襲的な制御がなされるのであれば脳活動に対しそれらはより自然な治療に近いといえるのかもしれない。 このシンポジウムでは4種類のニューロモデュレーションによる治療方法をあげ、各施設での研究成果や使用の実際、及びそれぞれの治療法による適応疾患や海外での適応拡大の紹介に加えて、これまで明らかにされてこなかったその工学的な作用機序についても最前線の研究結果を話すことを企画している。 聴衆者にはこの企画を通じて、それぞれのニューロモデュレーション法を概観する機会を提供しうると同時に、疾患の病態に迫る可能性のある作用機序を共に考える機会にしたいと考えている。