6月12日(土) 14:00〜16:30 第4会場
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大腸内視鏡検査は大腸がん検診時の精密検査として推奨されているが、人間ドックなどの任意型検診の場では1次スクリーニングとしても用いられている。そこで、検診の有効性と安全性を確保するためには、内視鏡検査実施に際し一定以上の技量が要求されると考えられ、内視鏡の診断能力と操作能力の評価基準が必要である。欧米ではすでにこうした内視鏡の精度管理を目的に客観的な評価項目群を設定するなど具体的な取り組みが始まっている。しかしわが国では系統的な方法はまだ十分な検討がされていない。今後、受診率向上による精検の増加や将来の内視鏡検診の導入に向けて、まずは精検として、またひいてはスクリーニングとしての内視鏡の精度管理の方法を確立することが急務である。今回の研究会では、大腸がん検診のなかで求められる内視鏡検査施行医の診断能力を含めた技術水準の指標としてどのようなものが妥当であるか議論を行い、今後の精度管理基準作成につなげたい。また関連して内視鏡医育成に向けたトレーニングの標準化などの検討も行いたい。
6月11日(金) 9:00〜11:00 第4会場
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胃がん検診は長い間40歳以上の男女全員を対象としてX線法を用いて実施されてきており、また胃がん検診ガイドラインでもX線法が唯一推奨される方法として明記されている。しかし、昨今の研究からは、胃がん発生にはH.pylori 感染、それに伴う胃粘膜萎縮が強く関連していることに異論はない。血清H.pylori 抗体やペプシノゲン法を用いて、背景胃粘膜の状態を把握し胃がん発生が低リスク、高リスクである背景粘膜を分類することで、効率的な検診をしていくべきだ、との試みも三木班などで多数報告されている。胃粘膜の状態をみる検査方法として、検体検査と画像診断があるが、40歳以上であっても年齢層が低い世代でのH.pylori 感染率が低下してきているとの報告もあり、現在のガイドラインに示されているような最初から画像検査を用いた胃がん検診は非効率といえよう。検査精度からはX線検査法よりも内視鏡検査法の方が優れていることに異論はないと考えられ、血清H.pylori 抗体やペプシノゲン法を用いた検体検査により背景粘膜の階層化を行い、そのリスク別に内視鏡検査を中心とした画像診断をしていくのが、将来的な方向であろうと考えている。しかし、現時点では、ガイドラインの方針もあり、検体検査を用いて階層化を実施できている施設は多くはない。胃がん低リスク群に毎年の胃がん検診を推奨し続ける是非や、背景粘膜の分類をどの手段を用いて行っているかの現状を含め、これから目指そうとしている効率の良い胃がん検診システムの一助になるような議論を期待する。
© 2009 第49回日本消化器がん検診学会総会