第60回日本熱帯医学会大会(The 60th Annual Meeting for the Japanese Society of Tropical Medicine)

大会長の挨拶

第60回日本熱帯医学会大会
大会長 山城 哲
(琉球大学 大学院医学研究科細菌学講座・教授)

美ら島、沖縄へようこそ

このたび第60回日本熱帯医学会記念大会を沖縄で開催することとなり、大会長を仰せつかりました山城哲と申します。歴史ある学会のお世話をさせて頂くこととなり、大変光栄に存じます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

日本熱帯医学会は日本医学会の構成学会の一つであり、熱帯・亜熱帯感染症または新興・再興感染症の制御を目的とした研究を展開してきた歴史があります。また、グローバルヘルスの名のもとに、熱帯地域や経済的困難地域住民の栄養不良、母子保健、気候変動、生活習慣病等も、研究の対象としてきました。いまや熱帯医学は、基礎研究、臨床・疫学的研究、環境・生態学的研究、文化人類学等を包含し、幅広く社会、経済とつながりを持つ学問領域であると言っても過言ではないかと思います。

今大会のテーマを「一歩先への熱帯医学:フィールド、ベンチ、イン・シリコ」と致しました。1) 熱帯地における臨床研究や多地点疫学研究等に代表される研究(フィールド)、2)ワクチン開発や、熱帯特有の感染症起炎微生物の病態解明に代表される基礎研究(ベンチ)、3) 熱帯医学・感染症領域における、大型コンピューターや人工知能、ネットワークデバイス等を用いた様々な取り組み(イン・シリコ)を紹介し、それらがうまく融合できるようなプログラムを企画してまいりたいと思います。

沖縄県は日本唯一の亜熱帯地域に属し、台湾、東南アジア、中国と比較的近い距離にあります。平成30年度は、年間約一千万人の観光客が訪れ、そのうち270万人超は海外からの来訪者で、輸入感染症が喫緊の課題として指摘されております。また感染症の分布や流行パターンが日本本土とは異なるとも言われております。一方、肥満をはじめとする生活習慣病の蔓延は、社会の耳目を集めました。このように沖縄では生活の一部に熱帯医学やグローバルヘルスの課題があり、沖縄で記念大会を開催することは大きな意義があるものと考えております。60回というと人間でいえば還暦の年となります。節目となる大会が、先達の足跡を振り返る良い機会となればと思っております。

参加者の皆様におかれましては、気候や文化が独特な沖縄で開催される、第60回日本熱帯医学大会を楽しんでいただけましたら幸いです。この大会を通して新たな共同研究やプロジェクトが産まれることがあれば、大会をお世話させていただく私どもにとりまして望外の喜びです。美ら島、沖縄でお会いできますことを楽しみにしております。

特別協力:沖縄県

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