第71回日本病院学会
学会長　石井 和博
医療法人おもと会　大浜第一病院　理事長

まず始めに、この度の新型コロナウイルス感染症によりお亡くなりになられた方、ご遺族に心からお悔やみを申し上げますとともに、現在も闘病中の皆様に心よりお見舞いを申し上げます。また、治療にあたる医療機関や行政機関の方々など、感染拡大防止に日々ご尽力されている皆様に深い敬意を表します。
　さて、第71回日本病院学会を沖縄県宜野湾市において、沖縄コンベンションセンターにて開催させていただきます。長い歴史を誇る日本病院学会ですが、沖縄県での開催は今回の71回目にして初めてのことであります。
　そんな中、新型コロナウイルス感染症の収束は未だ見込めず、予断を許さない状況が続いております。学会事務局では「withコロナ・afterコロナ時代」における「新しい学会の在り方と意義、その開催形式」について、熟考を重ねて参りました。その結果、今回は『完全無観客でのオンライン開催』とすることを決定致しました。また、恒例となっておりました医療人の集いに関してもリスクを考慮し中止となります。その一方で少しでも沢山の方々へご参加頂けるよう、日本病院学会としては初のオンデマンド配信を実施します。それに伴い、当初の学会開催予定日である、2021年6月10日（木）、11日（金）の２日間に関しては「配信用コンテンツの収録日」とさせて頂きます。コロナ禍においても、皆様に学びの場を提供できるよう安心安全にご参加頂けますよう、オンラインでお会いする形となりますが、県内会員病院一同お迎えする準備を鋭意進めて参ります。
　本学会は今回のパンデミック以降において、初めて開催される日本病院学会となります。メインテーマは『Think Quality ～医療の質・経営の質～』とし、病院運営において非常に大切な両輪である“二つの質”について活発にご討議して頂ければ幸いです。例えば、現在のコロナ禍においては「医療の質＝徹底した感染症対策と従来の病院機能の維持」と「経営の質＝健全な経営体質の維持」を両立させることの難しさを痛感したのは、当院だけではないはずです。
　また本学会では、日本病院会会長をはじめ、厚生労働省医務技監、日本医師会長、日本看護協会常任理事、東京都新型コロナウイルス感染症対策本部・アドバイザーの大曲貴夫先生（国際感染症センター長）から特別講演を頂くとともに、地元からは高良倉吉様（琉球大学名誉教授）、石嶺伝一郎様（沖縄県商工会議所連合会会長）、下地芳郎様（沖縄観光コンベンションビューロー会長）をお招きし、トークセッション形式にて沖縄の地域活力の秘訣を歴史・観光・経済の面より語って頂きます。2019年に焼失してしまった首里城復興計画の進捗状況や、好調な沖縄観光戦略についてもお話を伺います。
　またシンポジウムとしては、日本病院会の各委員会企画による9題のシンポジウムに加え、新型コロナウイルス関連、へき地・離島における医師確保、戦略的病院経営、病院事務部門の人材育成、医師の働き方改革、JCI認証、地域医療連携、デジタルトランスフォーメーション（DX）、病院群アライアンスにおける初期研修プロジェクト、回復期リハ関連などの11題を準備いたしました。
　一般演題は約350演題のご応募をいただきました。こちらの各演題に関しても、先述しましたようにオンデマンド配信においてご視聴が可能です。各病院によって状況は変わることかとお察ししますが、是非とも皆様にはオンラインにて多数ご参加頂ければ幸いです。実際にここ夏の沖縄にご来場頂けないことが残念でなりませんが、形を変えて皆様をお待ち申し上げております。