開催概要

ご挨拶

第60回日本病理学会秋期特別総会
会長 吉見 直己(よしみ なおき)

琉球大学大学院医学研究科・腫瘍病理学講座 教授

第60回日本病理学会秋期特別総会は国立大学法人琉球大学がお世話させていただくことになり、来る平成26年11月20日(木)・21日(金)に国立劇場おきなわ及び浦添市産業振興センター・結の街にて開催する運びとなりました。沖縄での開催は、平成8年以来18年ぶりとなります。

今回のメイン会場である国立劇場おきなわは沖縄の伝統芸能である「組踊」の保存振興の拠点として平成16年に開場されたものであります。全国に国立劇場は6つありますが、大都市の東京・大阪以外に唯一存在する国立劇場です。その広い舞台において、病理学という伝統ある医学研究の発表として、A演説8題及びB演説4題(うち1つはシンポジウム内で発表)を披露していただくとともに、シンポジウムでは「環境発がんのリスク評価における病理学の貢献」と「がん登録法制化と病理情報システム」という、ともに昨今の日本社会に深く関わるトピックスを取り上げさせていただきました。加えて、病理診断シリーズでは山形大学の山川光徳教授の「樹状細胞性病変の病理診断」と川崎医科大学の森谷卓也教授の「乳管内増殖性病変の病理診断」の講演を、秋期総会における若手病理医育成の場としても、また生涯学習の場としても、拝聴できることを楽しみにしております。

特別講演として、琉球大学大学院医学研究科・法医学講座・井濱容子准教授(現在、ルートヴィヒ・マクシミリアン大学ミュンヘン法医学講座に留学中)による「沖縄の法医解剖の実状 -年間400例を超える解剖を通して」を企画いたしました。沖縄開催という場を借りて、沖縄での法医学の現場を知っていただきたいと思います。ドイツ法医学の現状も拝聴できるかと思われ、現在、医療事故調査委員会設置の議論が深まる折でもあり、病理学会会員への話題提供になればと思っております。

さらに、特別企画として、本学会倫理委員会、COI委員会及び研究推進委員会の関係する三つの委員会のもと、伏木信次倫理委員会委員長による「病理医・病理学研究者に求められる倫理とは」の講演をランチョンセミナーのひとつとして企画させていただきました。また、恒例となりつつあるコンパニオンミーティングとして「第5回妊産婦死亡症例病理カンファレンス」を予定しております。なお、ランチョンセミナー時の一角では、沖縄県の特性である離島医療を補完する遠隔病理診断の実況中継を予定しております。

最後に、ポスター公募に関しては、100題を超す演題を応募していただきました。国際交流委員会を介して、環太平洋地区の6カ国からのポスター演題と併せて、活発な議論を期待しております。議論の後には表彰を兼ねて泡盛パーティーを準備しておりますので、参加をお待ちします。加えて、通常の学会会場と異なり、国立劇場での開催という特徴を活かして、沖縄観光コンベンションビューロー支援のもと、2010年にユネスコの無形文化遺産リストに登録された「組踊」の実演を鑑賞できる企画を組みました。会員皆様への沖縄の文化を知っていただける良い機会と思われますので、席数は限られておりますが、お楽しみいただきたいと存じます。本学会の時季は既に本土では紅葉も終わろうとする冬の訪れを感じさせる頃でしょうが、沖縄は最も過ごしやすい季節です。どうぞ皆様、是非、琉球国の旅をお楽しみ下さい。

 

なお、会期後の11月22日(土)にはIAP日本支部主催の病理学教育セミナーが沖縄県立南部医療センター周辺に整備されたメディカル会議施設のうち、隣接する沖縄県看護研修センター・沖縄県医師会館・沖縄小児保健センターの三施設で開催されますので、併せてのご参加をお待ちしております。

会期
2014年(平成26年)11月20日(木)・21日(金)
会場
■国立劇場おきなわ
 〒901-2122 沖縄県浦添市勢理客4丁目14-1
■浦添市産業振興センター・結の街
 〒901-2122 沖縄県浦添市勢理客4丁目13-1
会長
吉見 直己
(琉球大学大学院 医学研究科 腫瘍病理学講座)
参加費
一般参加 10,000円
大学院生・前期研修医※(研修期間1,2年目の研修医) 5,000円
学部学生※ 無料

※前期研修医身分証明証あるいは学生証の呈示が必要です。