この度、第72回西日本泌尿器科学会総会を、2020年11月5日（木）から8日（日）まで、宜野湾市にある沖縄コンベンションセンターで開催させていただきます。琉球大学としては、平成2年、平成14年の開催に続いて3度目になりますが、歴史ある本総会を担当させていただきますことを大変光栄に存じます。

本総会のテーマは”Challenges, Game changers and the Heart”としました。医療も含めた社会は常に「課題や難問(Challenges)があり、その解決に向けてGame changersが出現」し進歩してきた側面もありますが、その過程を支える根底には「何とかしようと思う心(the Heart)があった」と思います。Game changersは、形勢を一変させる/大変革をもたらす/大きな影響を与える人や物といった意味ですが、泌尿器科学に関しては、歴史的に前立腺癌に対するホルモン療法、各種疾患に対する手術方法の開発、間欠的自己導尿や新たな排尿治療薬の開発、などの革新が現在の泌尿器科医療の土台を形成してきました。近年の顕著なGame changersはda Vinci手術や免疫チェックポイント阻害薬が挙げられます。他にも5-ALAによる膀胱癌診断能力の向上などがあります。

本総会ではもっと身近なGame changersの共有も目指しています。例えば、「難治性疾患の患者さんに対して、一所懸命に病態を考えて治療したら思いのほか良好な成績が得られた」、「困難な治療になると思われたはずが、ある種の工夫を凝らしたら比較的スムースに治療が行えた」など、当該治療や工夫や研究などもGame changersであると考えています。この様な経験がありましたら、是非本総会に持ち寄って共有しようではありませんか。また、「今取り組むべきChallengesは何か」、「必要とされるGame changersは何か」など、問題提起だけでも大歓迎です。未解決の課題こそ皆様の心(the Heart)をかき立て、いつか核心(the Heart)に迫りGame changersを生み出す（皆様がGame changersになる）原動力になるでしょう。ユニークな演題のご応募をお待ちしております。とはいえ、本総会を全て上記テーマに染めようなどと目論んでいるわけではありませんので、お気軽に演題をご応募ください。

残念ながら首里城は焼失してしまいましたが、偉大な建造物が存在したという事実が消え去るわけではありません。琉球王朝時代に想いを馳せつつ、ぜひお立ち寄りください。他にも斎場御嶽、美ら海水族館、グスク跡、海中道路、やむちんの里などなど、沢山の名所も皆様を待っています。

11月の沖縄は気候的にも暖かく皆様を迎え入れてくれるでしょう。沖縄の美しく青い空と海はきっと皆様を癒してくれるに違いありません。ただし、光の側面とともに沖縄が苦しんできた歴史もぜひ皆様で共有して欲しいと思います。多数の皆様のご来沖を心よりお待ちしております。