第24回日本臨床脳神経外科学会(The 24th Annual Congress of Japan Association of Neurosurgical Clinics)

学会長挨拶

大会長:上田 裕一 写真
  • 第24回日本臨床脳神経外科学会
  • 大会長上田 裕一
  • (医療法人野毛会もとぶ野毛病院 理事長)
大会長:上田 裕一 写真

第24回日本臨床脳神経外科学会を2021年11月 11日(木)、12日(金)の両日、沖縄コンベンションセンターにて開催させていただくことになりました。どうぞ宜しくお願い致します。

本学会のメインテーマは「協働・共生・平和の理念に基づく医療ネットワークの創出」といたしました。サブテーマを「東アジアの時代の幕開けに向けた新たな地域医療」としております。

皆さまご承知のように、沖縄県は島嶼県ということばかりではなく、地誌的および歴史と文化において日本本土とは異なった地域環境にあります。マラリアの撲滅をはじめとする感染症の治療、飢餓の克服、そして敗戦。生き残った医師は56名、衛生兵を医介輔にして保健婦とともに県民の健康を守り、昭和55年と60年の健康長寿日本一を獲得。戦災を生き延びた者の長寿・健在ぶりは驚くばかりです。戦後の混乱期から祖国復帰を経て今日に至るまで、沖縄の地域医療はアカデミアおよび公的あるいは私的病院との協働の歴史の中で発展してまいりました。本学会も専門分野での脳神経外科医師連合(四金会)があって開催できます。一方で昭和47年まで27年間の長きにわたる米軍統治下での阻害や、車社会・ライフスタイルの変化が世代を超えて沖縄県民の健康と長寿に負の影響を与えています。本学会ではこのような異民族統治を含め、歴史も文化も本土とは異なる沖縄の地域医療の歴史を皆さまに供覧し、来たるべき東アジアの時代における新たな地域医療について議論をいただければ幸いです。

本年は私の恩師であられる故 佐野圭司先生の生誕100周年であり、その思い出と軌跡を今にたどる特別企画を準備しました。
 同時に、本学会が脳神経外科医を始め、他種類の診療科の医師、看護師、理学療法士、物理療法士および放射線技師などのコメディカルスタッフ、事務職等が一堂に会して活発な討論の場となることを期待しています。本学会において協働・共生・平和の理念に基づく医療ネットワークの創出の青写真が生まれ東アジアの時代の幕開けに向けた学会となれば、主催者としてこれに勝る喜びはありません。

また、加えて令和元年10月31日未明に発生した火災により、沖縄のシンボルである首里城の大部分が、焼失したことで沖縄県民の皆様をはじめ、県外・海外の多くの皆様も心を痛めておられることと存じます。第24回日本臨床脳神経外科学会では、学会の盛会と併せて、首里城の一日も早い復元を心より祈念いたしております。

新型コロナウィルスの世界的流行により、当初の6月下旬の開催を11月11、12日と致しました。11月の上旬の沖縄の夏を体感いただきながら、沖縄独自の自然や歴史、様々な国の文化が融合した食などにも親しんでいただけましたら幸いです。多くの皆様のご参加を心よりお待ちしております。